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日本橋形成外科

手術症例写真集について

■粉瘤

粉瘤は「粉瘤腫」,「表皮のう腫 epidermal cyst」,「アテローマ atheroma」,「アテローム」などとも呼ばれます。
小さいもの(直径5ミリ以下)であれば穴をあけて中身を出すだけでも治ることがあります。
顔と背中にもっともよくできます。
膿んでいない粉瘤は袋(のう腫)ごときれいに摘出することができます。キズを閉じる際に,中に血がたまらないよう,ドレーンというシリコン性チューブを入れることがあります。
抜糸は顔で5~7日後,体幹で10~15日後です。

【リスク・副作用】

腫れ・痛み・感染・出血・神経障害・ケロイド・肥厚性瘢痕・傷が開く・再発


背中の粉瘤


右頬の粉瘤

切開し粉瘤の被膜を剥離し摘出しました。
治療費 6050円 (3割負担時)上記症例の場合

【リスク・副作用】

腫れ・痛み・感染・出血・神経障害・ケロイド・肥厚性瘢痕・傷が開く・再発


左耳の粉瘤

切開し粉瘤の被膜を剥離し摘出しました。
治療費 15050円 (3割負担時)上記症例の場合

【リスク・副作用】

腫れ・痛み・感染・出血・神経障害・ケロイド・肥厚性瘢痕・傷が開く・再発


被膜ごときれいにとらないと再発します。


■化膿性粉瘤

膿んでいる粉瘤(写真左)に対しては、まず局所麻酔下に切開し中の膿を押し出します。洗浄、軟膏塗布などにより数週間で化膿は落ち着きます。
袋の残骸がある場合(写真中,2週間後)には再度局所麻酔下に摘出します。(膿むと2段階手術になる可能性が高くなります)。
化膿してない粉瘤と同様ドレーンを入れ,7~10日後に抜糸します(写真右、初診から4週間後)。 つまり膿む前に手術すれば1回で済み、経過も半分以下です。

■臀部慢性膿皮症

中年男性喫煙者に多いです。複数回の炎症を繰り返します。皮下でアリの巣のように複雑な瘻孔を形成します。感染が落ち着いており、縫縮可能な場合は手術が可能です。


■外歯瘻

粉瘤と間違えやすい疾患です。虫歯が進行して膿の袋を形成し、皮膚に膿汁がでている状態です。
歯科での根治的な治療を要します。



■脂肪腫

通常は直径の半分以下のキズで摘出可能です。癒着の状態によっては切開線が長くなります。摘出後はドレーンを入れることがあります。通常は2日以内に再診していただきます。ドレーンが抜けたらご自宅で軟膏処置などを行い。7~14日後に抜糸します。

表在性で境界明瞭であれば比較的小切開で摘出可能です。


脂肪腫の発生部位と性質にもよりますが
12cmを超える巨大脂肪腫も条件次第では日帰り手術可能です。


■血管脂肪腫

小血管が豊富な脂肪腫で、腕や大腿部、体幹に多発することがおおいです。一般的に脂肪腫は痛みがありませんが、血管脂肪腫は、なにもしなくても痛みがでること(自発痛)や、押すと痛みがでること(圧痛)もあります。



■母斑(nevus)

頭部の母斑

おおむね1cm以下のものは「ほくろlentigo」,それ以上大きいものは「黒あざ」と呼ばれます。色素は深く(真皮)まで入っているため、切除をおすすめします。特殊な部位ではレーザー治療を行うこともあります。
頭皮では、切除すると傷跡がハゲることがあるため、レーザーで切除します。毛根はさらに深いので切除したあとから毛が生えてきます。


顔面の母斑

3mm程度のものは削り取ってしまうこともありますが、5mm以上のものは切除をおすすめします。術後、上口唇の変形がきたさないように縫合しております。
また眉毛の母斑は連続縫縮といって複数回の手術をおこなうことによりできるだけ傷痕が目立たないように工夫しています。


左母趾の母斑

よく「手足のホクロは皮膚癌になる」と言って来院されますが、それは迷信です。「悪性黒子」というタチの悪い皮膚癌は手足に多いので誤解されているようです。手足では単純に縫い縮めることが難しく、皮膚移植や皮弁法になる可能性もあります。

切除したあと皮膚移植。その後3ヵ月後には傷跡は目立たない。


■類皮嚢腫

有毛部に好発する腫瘍です。胎生期の遺残物です。被膜内の内容物は黄色い脂性の液体状で毛髪などが入っていることが多いです。前額部ですと骨膜に付着していることが多く丁寧な剥離が必要です。


■副乳

一見ホクロのように見えますが、乳腺原基が残存したちくびです。妊娠時に乳汁分泌やまれに乳がんを発生することもあるため切除します。


■血管拡張性肉芽腫・化膿性肉芽腫 pyogenic granuloma

血管拡張性肉芽腫

ケガや虫刺され、ニキビなどに細菌感染が原因となって生じます。急激に大きくなり、出血するため悪性と誤解されやすい腫瘍です。好発部位は手足ですが、体じゅうどこにでもできます。
治療は、通常局所麻酔下にCO2レーザーで焼灼・切除します。小さいものはステロイド軟膏を塗り続けると退縮することもあります。

母指。包丁で切ったあとに出現。レーザーで切除3週間後


比較的大きいものは切除し、縫縮します。


■血管腫

口唇にできた血管腫です。静脈湖ともいわれます。赤唇と白唇の境に乱れを生じないように皮弁を用いて切除しています。


■粘液嚢腫

口唇に多く発生する腫瘍です。唾液腺の排出管が何らかの原因により機能不全を起こし粘液が貯留します。軟らかいできもので、内容物はゼリー状です。


■神経原性腫瘍

背部の神経線維腫

単純切除し縫縮


■軟線維腫

首やワキにできることが多いのですが、顔にできることもあります。液体窒素やレーザーも用いますが、ハサミで単純に切った方が熱による周辺組織のダメージが少ないのできれいに治ります。

■黄色腫

高コレステロール血症により発症することが多いです。眼瞼に黄色扁平の腫瘍が発生します。


■混合腫瘍

複数の異なる組織に由来する腫瘍です。成人男性の下顎部などの顔面に好発し、境界明瞭で比較的硬いできものです。


■神経鞘腫

神経をとり巻いている鞘からできる腫瘍です。できものを叩くと電気が走るような痛みが発生するティネル徴候が出現する場合があります。


■汗孔腫

汗腺から発生する腫瘍です。ドーム状に隆起し、透明もしくは青白色調で境界で明瞭なできものです。


■ケロイド・肥厚性瘢痕

ケロイドはケガや手術、化膿などが原因でおこるものと、誘引なく自然にできる特発性(真性)ケロイドがあります。
治療法としては、侵襲の少ないものから

  1. トラニラスト(リザベン)内服
  2. シリコンシートによる圧迫
  3. ステロイドテープ(ドレニゾン)貼付
  4. ステロイド(ケナコルト)注射
  5. ケロイド内切除手術
  6. ケロイド全切除+電子線照射療法

上記 1~4を組み合わせて治療することが多いです。

他院での手術後に出現 お灸による 特発性(原因不明)

耳垂にできるものは単純切除のみで治ることが多い

比較的大きいものも数回の手術にて
きれいになることが多い


皮弁を用いて形成術をおこなってます。


■耳垂裂

できものではありませんが、耳に関連する疾患としてピアスなどで裂けてしまった耳垂裂があります。辺縁部にZ形成術という技術を用いることで滑らかなラインを作ることができます。


■耳介軟骨膜炎

機械的な刺激や、感染などで炎症をおこし、漿液性の液体が溜まります。
軟骨は血流がないため一度おこすとなかなか治りません。
綿を圧迫固定し液体が溜まらないような癖をつけます。


■陥入爪(巻き爪)

陥入爪でも肉芽形成をおこし疼痛の強いものなどは手術をおこないます。爪の生えてくる元(爪母)を一部摘出することにより、爪を細くし食い込まないようにしています。


■外傷性変形

ケガをしたあと不適切な処置をしたり、化膿したりすると醜状変形をきたすことがあります。完全にあとかたもなく修正することは困難ですが、改善させることはできます。


■脂漏性角化症

老人性角化症(老人性イボ)ともいわれます。加齢や日焼けによってできるもので、顔面、手背など露光部に多くみられます。 すこしずつ削り取りながらきれいにしていきます。


小さいものも1つ1つ丁寧に摘出するときれいになります。


■脂腺増殖症

中高年の顔面に多発する腫瘍です。黄白色で中心部に陥凹が見られます。レーザー加療にて改善が可能です。


■外骨腫

骨軟骨腫ともいわれます。骨皮質が突出してできたできものです。比較的容易に摘出できます。額では脂肪腫との鑑別を要します。


■線維腫

膠原線維などで構成されている腫瘍です。有茎状のものや皮膚の浅い部分に色素沈着を伴い存在することもあります。有茎状のものは小さい切開で摘出できます。


■鼻部線維性丘疹

おもに顔に出現するやや硬めの丘疹です。小さいものはレーザーにて削り、きれいにします。


■石灰化上皮腫

小児に後発するできもので、毛母細胞から由来するといわれています。皮膚の浅い部分にこのできものがあると、青白く透けて見えることもあります。


■多発性脂腺膿腫症

遺伝により発現することもあります。脇、胸腹部、腕に多発することが多く、皮脂腺により形成され、摘出すると帯黄色で内容物はシュークリームのような皮脂をみとめます。少しずつ摘出し加療していきます。


■陰嚢石灰沈着症

カルシウム沈着により生じる結節です。多臓器にこの腫瘍がある場合は、副甲状腺腫瘍などを疑い精査することもあります。多発していることが多いため少しずつ摘出していきます。


■手部異物残留

トゲなどが皮下に入り込んで痛みや、違和感が残る場合があります。小さいものですとレントゲンなどでも映らないことがあります。治療法は皮膚ごと摘出をし、異物を摘出します。この症例では枝が入り込んでいました。


■その他の腫瘍については

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