脂肪腫とは、脂肪細胞からできた良性の腫瘍です。一般的に痛みは伴わず、触ってみると柔らかいのが脂肪腫の特徴です。皮膚のすぐ内側にできやすく、見た目は盛り上がっているものの、肌の変色はありません。稀に脂肪腫が徐々に大きくなることがあります。塊のようになって現れるのは、袋状の繊維質に包まれた状態で脂肪腫ができるためです。

脂肪腫がよくできる場所として挙げられるのは首や胴体、太もも、わき、上腕などです。脂肪腫が体質的にできやすい方もおり、体のあちこちに同時にできることも珍しくありません。

粉瘤と間違われやすいですが、脂肪腫の場合、化膿や臭いが出ることはありません。

脂肪腫は医学が発展している現在も、詳しい原因はわかっていないのが現状です。ただし、まったく原因が判明していないというわけではなく、遺伝によって脂肪腫ができるケースもあると判明しています。また、傷やケガなどが原因で脂肪腫ができることもあります。脂肪腫は細胞に脂肪が溜まることで少しずつ増殖しますが、ある程度熟した脂肪は増えることがありません。しかし、分化していない細胞が残っていると、脂肪細胞の栄養源となり、脂肪腫に発展する可能性もあるのです。このことから、染色体に異常をきたすことで脂肪細胞が増えるとも推測できます。

脂肪腫の治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。一般的に行われる治療方法としては手術で取り除きます。部分麻酔を使うので、手術中は痛みを伴いません。脂肪腫の多くは良性であり、ガンへの変異もないため、緊急手術になることはほぼありません。緊急性を伴わず、本人が気にならないのであれば、そのまま様子を見ることもあります。

ただし、脂肪腫は自然に小さくなったり無くなったりすることはないので、鈍痛のような感覚がある場合は手術も検討してみましょう。また、非常に珍しいことではありますが、脂肪肉腫のような悪性のこともあります。これまでなかったこぶができたら、一度診察を受けることをおすすめします。

脂肪腫の原因や治療法などを理解することで、不安も解消されます。脂肪腫は緊急の手術を要する症状ではないものの、心配事をなくすためにも医療機関での診察を受けることがおすすめです。脂肪腫でお困りの方は、日本橋形成外科・皮フ科・美容外科までご相談ください。高い技術を有する専門医が、1人1人の症状に合わせて最善の治療を行います。